コメダ珈琲

お金が好きな公認会計士

財務分析はできるけど、そもそも投資に、ガチな財務分析はあまり意味がないみたい。

ささやかな知識と経験と、ほぼ直感を頼りに投資についてつぶやくわ。

 

今日はコメダホールディングス

あたしも近くのコメダ珈琲によく行きます。コンセントがあって、充電しながらいつまででもケイタイを眺めていられちゃう。お店の人も親切で、一杯のミルクコーヒーを飲み終えた後も、何度お水をお代わりしてくれたことか。ステキ。

 

好きなお店には投資したくなるの。

今月8月は第2四半期決算月だから、いまならすぐに配当金と株主優待がもらえるわ。まだまだ利益は伸びてるし、ここのところの2000円を下回る株価は買いどきかしら。

 

ただね、やっぱり今日も買わない。

どうしても気になっちゃうの、383億円もの「のれん」。のれんて換金価値のない会計上の係数よ。これに対して借入金が197億円あるわ。借入金が価値ある資産に変わってないの。MBKパートナーズとかいうファンドが器を作って、そこが三菱UFJやみずほからお金を借りて旧コメダ珈琲を取得するときにお金を使ったのね。その後、このファンドの器であるMBKP3が商号変更して今の株式会社コメダになった。つまり、この借入金は旧コメダ珈琲の株主に流れて、今の会社には残ってないということ。

 

この借入金には財務コベナンツがついてるわ。ファンドによる再編時の名残りね。損益が赤字になったら大変なのね。またレバレッジレシオの制約があるから、この先は借入金を増やせそうにないわね。この低金利の時代に定期預金を増やしているのは銀行とのお付き合いかしら。

 

とはいえ、営業CFは年間で60億円超稼いでるから、今はまったく問題なさそうね。昨年度はこの60億円で、自己株式取得に10億円、配当金の支払いに22億円使った。他に定期預金を10億円積み増して、固定資産の取得に14億円支払った。借入金はほとんど返していないわ。利息の支払いが6000万円程度。金利はTIBOR+0.15%~0.20%だから急がなくて良いのね。

 

コメダ珈琲、とても居心地良くて、あたしは好きよ。でもね、じつはあたし、コンセントがあって長居できる喫茶店ならどこでも良いの。星乃珈琲でも、スタバでも。そう思うと、コメダ珈琲の成長はいつまでも続かない気がするわ。競争相手が多いもの。そして新しいサービスのお店がきっと現れる。そんなとき、やっぱり頼りになるのはお金だわ。のれんは役に立たないの。使える資産がなく、借入金を増やせられないなら、この先の変化に耐えられないわ。お金好きなあたしは換金価値のない資産が多い会社には興味ないの。

あたしはやっぱり買わないわ。